討九郎馳走
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表書 |
昭和 17 (1942) 年 | 成武堂刊 内蔵允留守 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 討九郎馳走(とうくろうちそう) |
時 と 所
江戸時代 岡崎城下
主な人物
- 兼高 討九郎 水野監物忠義の家臣 それまでの徒歩(かち)組支配から馳走番を仰せつけられる
- 大納言義直 尾張さま 水野忠義とはずいぶん以前から反目のあいだがら
Memo
「いいわけ無用」
だあん! 銃口が火を吹いた。 討九郎にはその爆音が主君の叱咤(しった)の声と思われた。 忠義はまだ煙を吐いている銃を侍臣にわたし、弾丸(たま)ごめのしてあるべつの銃を受け取って、ふたたび的を狙いながら云った。
「無骨者で礼儀作法にうといから勤まらぬと申したそうだが、余には余の思うところがあって命ずるのだ、辞退はならんぞ」
「・・・はっ」 討九郎はきっと唇を噛んだ。
「わかったら退ってよし」
『討九郎馳走』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134277 |
タイトル |
山本周五郎 『あとのない仮名』 文庫本 | 収録作品 |
討九郎馳走 義経(よしつね)の女(むすめ) 主計(かずえ)は忙しい 桑の木物語 竹柏記(ちくはくき) 妻の中の女 しづやしづ あとのない仮名 |
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あとのない仮名 (新潮文庫)
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