やぶからし
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 34 (1959) 年 | 週刊朝日増刊号 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | やぶからし |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 細貝 玄二郎 七百石の中老細貝八郎兵衛の一子 十八くらいから放蕩を始め、常盤家のすずどのを貰ってくれさえすれば行状を改めると懇願しすずをめとる
- すず 玄二郎の妻 四歳のとき両親が病死し、母かたの遠縁に当る三百石ばからりの大御番常盤家へ引き取られた
Memo
「六つか七つぐらいのときだ」とあの方は続けていた、「庭で遊んでいると、当時いた源次というとしよりの下男が、生垣のところに伸びている草を、鎌で掘っては抜き捨てている、なんだと訊(き)くと、やぶからしという草だと云った、どうして抜くんだ、どうしてって、これは悪い草で、伸びるとほかの木に絡まってその木を枯らしてしまう、竹藪さえ枯らしてしまうので、いまのうちに抜いてしまうのだ、と源次が答えた、やぶからし ──」
あの方はぐらっと頭を垂れた。
『やぶからし』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 | 4106440377 |
タイトル |
山本周五郎テーマコレクション 『恋慕(れんぼ)』 単行本 | 収録作品 |
野分(のわき) 菊千代抄 あんちゃん 鶴(つる)は帰りぬ やぶからし おさん |
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恋慕 (山本周五郎テーマ・コレクション)
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