二十三年
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表書 |
昭和 18 (1943) 年 | 小説日本婦道記 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 小説日本婦道記 二十三年 |
時 と 所
江戸時代 若松城下・松山城下
主な人物
- 新沼 靭負(ゆきえ) 会津蒲生家の家臣、御蔵奉行に属し食禄二百石あまりで槍刀(そうとう)預という役を勤めていた 改易で主家を失い、仕えるなら会津の支封ともいうべき松山の蒲生家に召抱えられたいと、伊予のくに松山へ向うことに
- 新沼 牧二郎 靭負の二男 長男の臣之助は時疫で急死し、病みついていた妻のみぎはも三十日ほど後れて亡くなり、牧二郎は生れて十月にも満たなかった
- おかや 十五の年から新沼家に仕えてきた碑(はしため)
Memo
「おかや、牧二郎もこれで一人前になった」彼はしずかにそう口を切った、「 ・・・今日まで二十三年、新沼の家のためにおまえの尽して呉れた事は大きい、おれが幼弱だった頃のことは父上に聞いたし、物ごころがついてからはおれ自身の眼で見ている、父上のことは云うまい、牧二郎はおまえの力で育ったのだ、牧二郎が今日あることはみんなおまえのおかげだ、有難う」
「 ・・・・・・ 」 おかやは声を立てずに笑った、それは毎(いつ)もの愚かしい無感動な笑い方である。
『二十三年』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134086 |
タイトル |
山本周五郎 『小説日本婦道記』 文庫本 | 収録作品 |
松の花 箭竹(やだけ) 梅咲きぬ 不断草 藪(やぶ)の蔭(かげ) 糸車 風鈴 尾花川 桃の井戸 墨丸 二十三年 |
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小説日本婦道記 (新潮文庫)
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