菊の系図
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 19 (1944) 年 | 婦人倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 菊の系図 |
時 と 所
江戸時代 鶴ヶ岡城下・新発田領の葛塚(くずづか)
主な人物
- お琴 藩校「致道館」の助教重田主悦(ちから)の妻、寺田村の豪農田村善左衛門のむすめ
- 重田 保太郎 主悦お琴夫婦の一子
Memo
「この菊の祖先は伊勢にいるのですね」
「いるというのはおかしいな」 主悦はそういって笑った、「・・・ だがたしかに伊勢だ、伊勢の足代寛居(あじろひろい)先生からお祖父(じい)さまがわけて頂いたのだ。 寛居先生は名を弘訓(ひろのり)と仰って、大廟(たいびょう)の御神官であり国学者としても名だかい、菊は百花の王といわれて、伊勢の神官の御装束は古くから菊の御紋であるし、おそれおおくも朝廷の御紋章にもえらまれた栄(はえ)ある花だ。 ことにこの菊は神官にゆかりの深い足代家に育ったものだから、お祖父さまは 『重田の家のつづく限り根を絶やすな』 と云っておいでになった、おまえもよく覚えて置くがよい」
『菊の系図』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134536 |
タイトル |
山本周五郎 『髪かざり』 文庫本 | 収録作品 |
笄堀(こうがいぼり) 忍緒(しのびのお) 襖(ふすま) 春三たび 障子 阿漕(あこぎ)の浦 頬(ほお) 横笛 郷土 雪しまく峠 髪かざり 菊の系図 壱岐(いき)ノ島(しま) 竹槍(たけやり) 蜜柑畑(みかんばたけ) 二粒の飴(あめ) 萱笠(すげがさ) |
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髪かざり (新潮文庫)
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