滝口
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 38 (1963) 年 | 小説新潮 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 滝口 |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 益村 安宅(あたか) 三十一歳、交代留守役 祖父も父も代々の留守役 二十五歳から三年、藩の剣術道場で代師範を勤めたことも 妻のお梶が亡くなって三年になる
- 岡野 さえ 三十歳、足軽組頭であった岡野久太夫の娘 益村の屋敷裏の組長屋手前端に岡野の家があった 安宅が十二三のころ、屋敷の庭木の手入れで出入りした久太夫にさえが付いて来て二人は親しくなりやがて恋を語るように
- おりう 二十四歳、家は江戸の木場の小さな材木屋だったが父の死後借金が残り十五でお茶屋へかよい奉公にはいる 客筋のわるさから勤めてはやめを繰り返しやがて侍客の多い「稲毛」を気にいりおちつくが、のちに各地の店を半年もいずに移りながら、城下の料亭「衣笠」の女中に
- 芳村 伊織(いおり) 二十七歳 「── 三河以来の旗本で、代々八百石のお家柄なんですって」 「女ひとりのために身をほろぼしたあげく、こんな遠い田舎の城下町まで追って来て、うろうろ付きまとうようなだらしのない男を、情け容赦もなく斬っちまったんですか」
Memo
「滝の落ち口のことをいうんだろう」
「そのとおり」 安宅はにっと微笑した、「── 珂知川の上流に十三の洲(す)がある、水はその洲にさまたげられて、離れたり合ったりしながら流れている」
「なんの話だ」
「合ったり離れたリして来たその流れが、滝口のところで一つに合(がっ)し、すさまじい勢いでどうどうとなだれ落ちるんだ」
『滝口』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134345 |
タイトル |
山本周五郎 『扇野(おうぎの)』 文庫本 | 収録作品 |
夫婦の朝 合歓木(ねむ)の蔭(かげ) おれの女房 めおと蝶 つばくろ 扇野 三十ふり袖 滝口 超過勤務 |
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扇野 (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
新潮社 | 4106440407 |
タイトル |
山本周五郎テーマコレクション 『晩年(ばんねん)』 単行本 | 収録作品 |
滝口 醜聞 ひとごろし へちまの木 あとのない仮名 |
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晩年 (山本周五郎テーマ・コレクション)
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