榎物語
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 36 (1961) 年 | オール讀物 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 榎(えのき)物語 |
時 と 所
江戸時代 越後のくに小出の地
主な人物
- 河見 さわ 七ヵ村の庄屋のほかに会津藩の山方を命ぜられている河見半左衛門の長女
- 国吉 河見家の樵(きこり)がしら善吉の二男
Memo
越後へゆけ、という声が聞こえた。 意識の底からの囁きだったろう、さわには榎がそう云ったように感じられた。
「返してちょうだい」 さわは片手を拳(こぶし)にして、榎の幹を打ちながら、低い声で叫んだ。
「六年の月日を返してちょうだい、六年という長い月日を、このあたしに返してちょうだい」
その大榎は微動もせず、もう落葉のこぼれるようすもなかった。
『榎物語』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134284 |
タイトル |
山本周五郎 『四日のあやめ』 文庫本 | 収録作品 |
ゆだん大敵 契りきぬ はたし状 貧窮問答 初夜 四日のあやめ 古今集巻之五 燕(つばくろ) 榎物語 |
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四日のあやめ (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
新潮社 | 4106440334 |
タイトル |
山本周五郎テーマコレクション 『歳月(さいげつ)』 単行本 | 収録作品 |
藪落(やぶおと)し 葦(あし)は見ていた 橋の下 落葉の隣り 燕(つばくろ) 榎物語 饒舌(しゃべ)り過ぎる |
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歳月 (山本周五郎テーマ・コレクション)
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