山本 周五郎
夜の辛夷
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山本周五郎 短編作品
発表年 発表誌
昭和 30 (1955) 年 週刊朝日別冊
著者名 作品名
山本周五郎 夜の辛夷(こぶし)

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

「あら、あけっ放しなんかで、風邪をひくわよ」
「あの花はなんだ」 と彼が訊いた。
 お滝は「どれ」といいながら、裾のほうへまわって窓際へいった。 少し暖かすぎる晩だったけれど、十二時をすぎたので、さすがに気温が下り、窓際に立つと寒いくらいだった。 板塀の向うを見ると、まっ暗な樹立の中に、高く、ほのかに白く、ぽつぽつと咲きだしている花があった。
 あの白いの、とお滝は訊き返した。 うん、と彼はいった。 あれはね、ええと、知ってるのよ、ええと、なんていったかしらね、ここまで出ているんだけれど。 木蓮か、と彼が訊いた。 いいえ、違うの、花はちょっと似ているけれど違うのよ、いま思いだすわ、とお滝は衿を合わせながらいった。
                        『夜の辛夷』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101134147
タイトル
山本周五郎  『おさん』  文庫本
収録作品
青竹  夕霞(ゆうもや)の中  みずぐるま  葦(あし)は見ていた  夜の辛夷  並木河岸(なみきがし)  その木戸を通って  おさん  偸盗(ちゅうとう)  饒舌(しゃべ)り過ぎる
Amazon  おさん (新潮文庫) 

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