鼓くらべ
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 16 (1941) 年 | 少女の友 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 鼓(つづみ)くらべ |
時 と 所
江戸時代 加賀国金沢近郊
主な人物
- 老絵師 生れは福井の御城下で、ながいこと他国を流れ歩き、もう余命のない体ゆえ先祖の地で死にたいと故郷へ帰る途中とか
- お留伊(るい) 町いちばんの絹問屋の娘で、年は十五になる 「・・・ お正月に金沢のお城で鼓くらべがあるの、それでこの近郊からは能登屋のお宇多(うた)という人とあたしと、二人がお城へ上るとこになったんです」
Memo
・・・ そしていつでも話の結びにはこう云った。
「そうです、わたくしはずいぶん世間を見て来ました。 なかには万人に一人も経験することのないような、恐ろしいことも味わいました。 そして世の中に起こる多くの苦しみや悲しみは人と人とが憎みあったり、嫉(ねた)みあったり、自分の欲に負かされたりするところから来るのだということを知りました。 ・・・ わたくしにはいま、色々なことがはっきりと分かります。 命はそう長いものではございません、すべてが瞬(またた)くうちに過ぎ去ってしまいます、人はもっともっと譲り合わなくてはいけません、もっともっと慈悲を持ち合わなくてはいけないのです」
『鼓くらべ』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134239 |
タイトル |
山本周五郎 『松風の門』 文庫本 | 収録作品 |
松風の門 鼓くらべ 狐(きつね) 評釈堪忍記 失恋第五番 湯治 ぼろと釵(かんざし) 砦山(とりでやま)の十七日 夜の蝶(ちょう) 釣忍(つりしのぶ) 月夜の眺(なが)め 薊(あざみ) 醜聞 |
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松風の門 (新潮文庫)
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