山本 周五郎
竹柏記
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山本周五郎 短編作品
発表年 発表誌
昭和 26 (1951) 年 労働文化
著者名 作品名
山本周五郎 竹柏記(ちくはくき)

時 と 所

江戸時代  某城下

主な人物

Memo

 それは去年の春、こんど仲人を頼んだ、佐多梅所から貰ったものである。 「竹柏」という、名も清らかであるし、その細葉の、濃緑に白く粉をふいたような、渋みのある、おちついた色も好ましかった。
 ── 松はときに色を変えることもあるが、竹柏は枯死するまで色を変えない。
 梅所はそう云(い)って、根づくまでは此処がよい、と、場所を指定した。 そしてこの夏のはじめに、梅所が来て見て、これならもう移してもよかろうと云ったものである。
 ── 枯死するまで色を変えない。
 枝ぶりの、尋常でつつましいのと、渋く、見飽きのしない葉の色とに、彼はひじょうな愛着を感じていた。 それを妻の居間の、前へ移したのは、その木に、自分の心を託すという、ひそかな想いをこめてのことであった。
                       『竹柏記』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101134277
タイトル
山本周五郎  『あとのない仮名』  文庫本
収録作品
討九郎馳走(とうくろうちそう)  義経(よしつね)の女(むすめ)  主計(かずえ)は忙しい  桑の木物語  竹柏記  妻の中の女  しづやしづ  あとのない仮名

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