横笛
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 18 (1943) 年 | 婦人倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 横笛 |
時 と 所
江戸時代 江戸城下
主な人物
- 大橋 順蔵(訥庵 とつあん) 上野のくに群馬郡の生れで父は清水赤木という貧しい兵学者 佐藤一斎の門にまなび、二十六歳のとき望まれて大橋淡雅の養子に 大橋家は富豪として名高かく順蔵の才分をよく理解していたから日本橋村松町に大きな塾を建て、夫妻の住居ともして与えた 以来二十年、宇都宮戸田家に招かれて藩儒となる
- 巻子 順蔵の妻、淡雅のむすめ
Memo
── いまさらなにを気まぐれな。
むしろ苦々しく思っていると、半年ほどして師匠をことわってしまった、勘が悪いとみえていつまでしても一の曲があがらないのである、それからは独りで譜をたよりに稽古をして来た、それがよくも飽きないものだと感心するほどいつも同じ曲ばかり吹く、この頃では順蔵は馴れてしまったが、要談をもって来る同志の人々には耳障りになる場合がときどきある、若い時分ならともかく、もう小言をいう年でもないし、そのうちには自分で気がつくであろうと捨てておいたが、とうとう今日は云わずにはいられなかったのである。
『横笛』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134536 |
タイトル |
山本周五郎 『髪かざり』 文庫本 | 収録作品 |
笄堀(こうがいぼり) 忍緒(しのびのお) 襖(ふすま) 春三たび 障子 阿漕(あこぎ)の浦 頬(ほお) 横笛 郷土 雪しまく峠 髪かざり 菊の系図 壱岐(いき)ノ島(しま) 竹槍(たけやり) 蜜柑畑(みかんばたけ) 二粒の飴(あめ) 萱笠(すげがさ) |
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髪かざり (新潮文庫)
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