怒らぬ慶之助
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 10 (1935) 年 | 冨士 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 怒(いか)らぬ慶之助(けいのすけ) |
時 と 所
江戸時代 鹿児島城下
主な人物
- 御堂 慶之助(みどう) 薩摩守家久(いえひさ)の臣 禄高三百石、小身ながら年寄格に順ずる家柄 十七歳で父多左衛門が諫死(かんし)し続いて母を失い、叔父鬼鞍(おにくら)庄兵衛が後見となり十九歳の冬家督をした 剣もよく遣うがことに大心流の弓術に達し、二十五歳にして藩の師範格に補せられた
- 鬼鞍 梢(こずえ) 十九歳、庄兵衛の娘 慶之助とは幼馴染
- 伊能 源八郎 慶之助と同年の二十五歳 家久が江戸で召抱えた新参で百石の小身だが将来を嘱望され、また梶派の剣を執って屈指の勇名がある 庄兵衛が選んだ梢の婿候補のひとり
Memo
家へ帰ったが胆が煮えてかなわぬ。 生来それほどの愚物でもなかったのだが、一度ひねくれ始めた心はどうにも取返しようがない。 その夜一夜考えたうえ、翌朝早く、
当藩士を見るの人無し 武をもって禄を食むに足らず。
伊能源八郎
と筆太に大きく書認(かきしたた)めた紙を、門扉へぴたりと貼付け、旅装もそこそこに出奔した。
『怒らぬ慶之助』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134635 |
タイトル |
山本周五郎 『怒(いか)らぬ慶之助(けいのすけ)』 文庫本 | 収録作品 |
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怒らぬ慶之助 (新潮文庫)
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