山本 周五郎
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山本周五郎 短編作品
発表年 発表誌
昭和 29 (1954) 年 講談倶楽部
著者名 作品名
山本周五郎 鵜(う)

時 と 所

江戸時代  某城下

主な人物

Memo

「だってあなたは、せっかく釣った魚を、いつも逃がしておしまいになるじゃありませんか」
「どう云おう」 半三郎は笑おうとした、「困ったな、おれはこんなときうまくやり返すことができないんだ」
 ただこは乾いた声で笑った。 自分で云った言葉に自分で「不吉」を感じたらしい、乾いたような声で笑いながらいそいで云った。
「それで手のほうが先になるのね」
「手が届きさえすればね」
 そのとき、池のほうで激しい水音がした。 見るとすぐ向うの水面で、一羽の鵜が暴れていた。 長い頸(くび)をふりながら、翼でばたばた水を叩いている。 傷でも負って苦しんでいるようにみえたが、よく見ると大きな魚を咥(くわ)えていた。 その魚が大きすぎて嘴(くちばし)に余るのを、むりやりに呑み込もうとして、暴れているのであった。

                      『鵜』文中より

収録本

出版社 ISBN
小学館 4096772054
タイトル
山本周五郎中短篇秀作選集 5  『発つ』  単行本
収録作品
野分(のわけ)  契りきぬ  はたし状  雨あがる  よじょう  四人噺(よにんばや)し  扇野(おうぎの)  三十ふり袖  鵜  水たたき  将監(しょうげん)さまの細みち  枡落(ますおと)し
出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101134208
タイトル
山本周五郎  『ひとごろし』  文庫本
収録作品
壷(つぼ)  暴風雨(あらし)の中  雪と泥  鵜  女は同じ物語  しゅるしゅる  裏の木戸はあいている  地蔵  改訂御定法(ごじょうほう)  ひとごろし
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