襖
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 18 (1943) 年 | 婦人倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 襖(ふすま) |
時 と 所
江戸時代 江戸城下・忍城下ほか
主な人物
- 西村 次郎兵衛 西村は松平家ではすじめのただしい家柄だったが、はやく父母にさきだたれた 江戸やしきの老職をつとめる和田利兵衛が後見であった
- 阿市(おいち) やはり老職をつとめる松本五郎左衛門の長女でそのとき十八歳 利兵衛に再三請われて次郎兵衛への縁談を承知する
Memo
どれほど飲んだかわからなかった、倒れるまで酔い、誰かに寝所へはこばれたのをかすかにおぼえている。 そして死んだように眠ってしまったが、夜半と思えるころに次郎兵衛はふと眼をさました。 ・・・ しのびやかに誰かがすうっと襖をあけたのである。 誰だ、そう云おうとしたが、かれは眠ったふりをしたままそっとうす眼をあけて見た、細くしてある有明の光で、五寸ほどあけた襖の間から、じっとこちらを覗いている者の姿がぼんやりみえた、それは阿市だった。
『襖』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134536 |
タイトル |
山本周五郎 『髪かざり』 文庫本 | 収録作品 |
笄堀(こうがいぼり) 忍緒(しのびのお) 襖 春三たび 障子 阿漕(あこぎ)の浦 頬(ほお) 横笛 郷土 雪しまく峠 髪かざり 菊の系図 壱岐(いき)ノ島(しま) 竹槍(たけやり) 蜜柑畑(みかんばたけ) 二粒の飴(あめ) 萱笠(すげがさ) |
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髪かざり (新潮文庫)
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