みずぐるま
≫ Top page 作家 一覧 へ
山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 29 (1954) 年 | 面白倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | みずぐるま |
時 と 所
江戸時代(明和年間) 三河のくに岡崎城下・江戸城下
主な人物
- 弘田 和次郎 六百五十石の老職弘田平右衛門の一子 家柄は国許の交代次席家老 二年まえ父は職を辞し隠居したが、十八歳で家督を継いだ和次郎は現在まだ無役のまま
- 若尾 弘田家に養女分として引取られる 世間には江戸の親戚から養女に貰(もら)ったといい、藩へもそう届け出てある
Memo
「薙刀(なぎなた)まで持ち出してか」
和次郎は苦笑した。 若尾は慌てて、うしろに隠していた薙刀をもっと隠そうとしながら赤くなった。
「いいえ、これは、これはいま、ちょっと稽古をしようと思って、それで」
「新しい手の稽古か」 と和次郎は笑いながら云った、「おまえ新しい水車の手を編みだすと云って、たいそう張切っていたそうじゃないか」
「親方は、そんなことまで申上げましたの」
「編みださないまえでよかったと思うね」 と和次郎は云った、「若尾はどうかすると、姫君にまでそれを教えかねないからな」
『みずぐるま』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134147 |
タイトル |
山本周五郎 『おさん』 文庫本 | 収録作品 |
青竹 夕霞(ゆうもや)の中 みずぐるま 葦(あし)は見ていた 夜の辛夷(こぶし) 並木河岸(なみきがし) その木戸を通って おさん 偸盗(ちゅうとう) 饒舌(しゃべ)り過ぎる |
≫ Amazon
おさん (新潮文庫)
へ