障子
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 18 (1943) 年 | 婦人倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 障子 |
時 と 所
江戸時代 水戸城下
主な人物
- 久木 直二郎 水戸藩で無念流の剣士として名があり、藤田虎之助(東湖)の教をうけ尊皇攘夷の先鋒となって粉骨のはたらきをしていた
- かの子 藤田幽谷(ゆうこく)の女(むすめ)であり東湖の妹
Memo
梅子は微笑しながらさえぎった、そしてあれをごらんなさいと云いながら、ふり返って障子ひと桟にあけられた穴をゆびさした。
「なんですか ・・・ 」
「あれは久木さんが此処へおいでなすった翌日、かの子が自分でああしたのです。 ちょうどわたしが来合せて、なんのためかと訊(き)きました、かの子は赤い顔をしてひどく困ったようすでした、あとで塾生にはなしたところによると、人は誰にも見られないと思うとつい行儀を崩しやすい、それで独(ひとり)を慎むためにこうしたのです、そう云ったそうでした」
『障子』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134536 |
タイトル |
山本周五郎 『髪かざり』 文庫本 | 収録作品 |
笄堀(こうがいぼり) 忍緒(しのびのお) 襖(ふすま) 春三たび 障子 阿漕(あこぎ)の浦 頬(ほお) 横笛 郷土 雪しまく峠 髪かざり 菊の系図 壱岐(いき)ノ島(しま) 竹槍(たけやり) 蜜柑畑(みかんばたけ) 二粒の飴(あめ) 萱笠(すげがさ) |
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髪かざり (新潮文庫)
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