失蝶記
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 34 (1959) 年 | 別冊文藝春秋 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 失蝶記(しっちょうき) |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 谷川 主計(かずえ) 杉永とともに二十余人の同志を集め、全藩の意見を王政復古、開国の方向に纏(まと)めるために裏面工作をしていた
- 杉永 幹三郎 主計とは少年時代からの親友 紺野かず子とかねてから婚約の仲であった
Memo
私は今朝、歩きに出た山の林の中で、咲きかかっている石楠花(しゃくなげ)の蕾を眺めながら、六年まえのあなたの姿をまざまざと思いだしたのです。 滝で会ったあなたではなく、六年まえの、まだほんの少女だったあなたの姿です。 そうして、心の奥にひそんでいた胸のときめきが、燃える痛みのようによみがえるのを感じ、しかしなにもかも取り返しがたくうしなわれた、ということを改めて思い知ったのです。
『失蝶記』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134093 |
タイトル |
山本周五郎 『日日平安(にちにちへいあん)』 文庫本 | 収録作品 |
城中の霜 水戸梅譜 嘘ァつかねえ 日日平安 しじみ河岸(がし) ほたる放生(ほうじょう) 末っ子 屏風(びょうぶ)はたたまれた 橋の下 若き日の摂津守 失蝶記 |
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日日平安 (新潮文庫)
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