渡の求婚
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表紙 |
昭和 31 (1956) 年 | 大阪新聞 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 渡(わたる)の求婚 |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 平林 渡 二十六歳、これまで十幾たびも縁談を断っていた 「うちへ寄らないか」と外記に誘われた落合家には、三年ばかり訪問していない むかし外記の妹に、色が黒くて痩せっぽっちだから「椎の実」と綽名(あだな)を付けたことがある
- 落合 外記(げき) 十八になる妹ゆみがいる 妹には、郡奉行であり明道館の師範も兼ね一刀流を教えている勝田敬之助という婚約者がある
Memo
渡はなお外記の怠慢を責め、自分の迂闊を罵り、そして当然、ゆみは自分の妻になってくれるべきだ、と主張した。 ゆみは彼の言葉の終るのを待って、静かに眼をあげて彼を見た。
「わたくしから、一つだけうかがいたいことがございます」 とゆみが云った、「わたしが承知いたしたしましても、故障のあることを御存じでございますか」
『渡の求婚』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134437 |
タイトル |
山本周五郎 『花匂う』 文庫本 | 収録作品 |
宗太兄弟の悲劇 秋風不帰 矢押(やのし)の桶(とい) 愚鈍物語 明暗嫁問答 椿説(ちんせつ)女嫌い 花匂う 蘭(らん) 渡の求婚 出来ていた青 酒・盃(さかずき)・徳利 |
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花匂う (新潮文庫)
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