しぐれ傘
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 15 (1940) 年 | 講談雑誌 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | しぐれ傘(がさ) |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 堀田の殿様 堀田備中守正倫(まさみち) 堀田家は一万三千石だが、帝鑑ノ間(ていかんのま)伺候の大名
- 宗七 「鯉の宗七」と云って、一尾彫れば十両という飛抜けた高値をよぶ木彫家、二十五歳
- お雪 佐野屋藤吉の一人娘、年は十九 藤吉は親の代から二三十人の弟子を使っている大工の親方で、お雪が七つの年に親兄弟を亡くした孤児の宗七を手許に引取って面倒をみた
Memo
「出来ればします」
「どうして出来ないの。 富田屋は宗さんのためにも恩のある人でしょ。 無理な仕事なら別だけど、宗さんでなければならない鯉の彫物よ、どうしてお出来になれないの」
「今は云えないんだ、お雪さん」
宗七は意固地な調子でぶすりと云った。
「もう少し経(た)てば分かります。 けれども今はなんにも訊かないで下さい。 きっと分かる時が来ますから」
『しぐれ傘』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134550 |
タイトル |
山本周五郎 『人情武士道』 文庫本 | 収録作品 |
曾我平九郎(そがへいくろう) 癇癪料(かんしゃくりょう)二十四万石 竹槍(たけやり)念仏 風車 驕(おご)れる千鶴(ちづる) 武道用心記 しぐれ傘 竜(りゅう)と虎(とら) 大将首 人情武士道 猿耳(えんじ) 家常茶飯 |
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人情武士道 (新潮文庫)
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