へちまの木
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 41 (1966) 年 | 小説新潮 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | へちまの木 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 池原 房二郎 二十三歳、千二百石の旗本池原の三男
「おれだって男だ、持参金なんぞ背負っておめおめと婿(むこ)にいけるかい、そうだろう木内さん」 - 木内 桜谷(おうこく) としは三十五六、芝居の座付き作者になろうとしたが、いまは瓦版屋の文華堂で拵(こしら)え記事などを書いている 房二郎をちょうど手不足の文華堂に紹介するが ・・・
Memo
房二郎は膳の上から盃を取り、眉をしかめながら呷(あお)った、「へえー、そういうことかい、へえー、そいつはとびきりへちまの木だ」
「おめえときどきそれを云うが、へちまは木にゃあならねえぜ」
「どうして」 と房二郎が反問した、「だって茄子の木ってことはみんな云うじゃねえか」
「どっちでもいいが、茄子は一本立ちだから木と云ってもいいだろう、しかしへちまは竹とか木なんぞに絡みつく蔓草(つるくさ)だからな、どうこじつけても木たあ云えねえんだ」
『へちまの木』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134253 |
タイトル |
山本周五郎 『ちいさこべ』 文庫本 | 収録作品 |
花筵(はなむしろ) ちいさこべ ちくしょう谷 へちまの木 |
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ちいさこべ (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
新潮社 | 4106440407 |
タイトル |
山本周五郎テーマコレクション 『晩年(ばんねん)』 単行本 | 収録作品 |
滝口 醜聞 ひとごろし へちまの木 あとのない仮名 |
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晩年 (山本周五郎テーマ・コレクション)
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