湯治
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 26 (1951) 年 | 講談倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | おたふく物語 湯治 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- おしず 長唄のお弟子をとったり出稽古にいって、妹のおたかと二人嫁にもいかず二親の面倒をみてきた 三十二歳
- 栄二 おしずたちの次兄 妙な浪人者の仲間にはいり、十八の年に牢に入れられる 牢から出ると江戸お構いになったが仲間との縁が切れず、ときどきやって来ては金をせびった
Memo
── この金は自分の道楽に遣うんじゃあねえぜ、世の中を善くするためだ、貧乏で苦しんでいる大勢の人間のためなんだ。
それが彼の定(きま)り文句であった。 そして自分では本当にそう信じているらしく、眼を三角にして、いろいろと凄いようなことを云って、堂々と金を掠(さら)ってゆくのであった。 ・・・ 小さい頃からたいへんな乱暴者だったので、断ったりするとなにをされるかわからない。 父親の新七は温和(おとな)しい一方の人でなにも云わず、母は母で蔭では憎いように云うものの、栄二がくれば隠れてもなにかしてやるというふうだった。 不幸な子ほど可愛いというのは事実のようだが、それがつまりみんな姉妹にかかるわけで、生活はいつもぎりぎりいっぱい、月末には質屋へゆくことが稀ではなかった。
『湯治』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
小学館 | 409677202X |
タイトル |
山本周五郎中短篇秀作選集 2 『惑う』 単行本 | 収録作品 |
晩秋 金五十両 泥棒と若殿(わかとの) おたふく 妹の縁談 湯治 しじみ河岸(がし) 釣忍(つりしのぶ) なんの花か薫る あんちゃん 深川安楽亭 落葉の隣り |
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惑う (山本周五郎中短篇秀作選集 2)
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出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134239 |
タイトル |
山本周五郎 『松風の門』 文庫本 | 収録作品 |
松風の門 鼓(つづみ)くらべ 狐(きつね) 評釈堪忍記 失恋第五番 湯治 ぼろと釵(かんざし) 砦山(とりでやま)の十七日 夜の蝶(ちょう) 釣忍 月夜の眺(なが)め 薊(あざみ) 醜聞 |
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松風の門 (新潮文庫)
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