妹の縁談
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 25 (1950) 年 | 婦人倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | おたふく物語 妹の縁談 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中・目黒不動
主な人物
- おしず 三十二歳、師匠の杵屋勘斎から勘志津の名を貰い、長唄を教えている 父親の新七は当時六十一二で本来は錺職(かざりしょく)だったが、おしず、おたかの二人の姉妹が父と母いくを養っていた 上に伊吉、栄二の兄弟がいるが、二人はたまにしか家へ寄りつかなかった
- おたか 二十六歳、大きな仕立屋へかよいで勤めている 姉妹がかよう生華(いけばな)の師匠絹女から、信濃屋という綿問屋のひとり息子友吉との縁談をすすめられる
Memo
こんどは調理場のほうで、老爺の失笑(ふきだ)すのが聞え、老婆もおたかも、・・・ おたかはまたしても腹を押えて笑いころげた。 どうもしょうがない、こうなればこっちもほかに手はないので、おしずは例のとおり、さし当りみんなと同じように笑った。
「── うちの爺さんはおかげで命が延びたって云っておりますですよ」
まもなく茶を持って来て老婆が云った。
「── いつもほんとに無愛想で、声を出して笑うことなんて何年にもないことでございます、わたしまで胸の閊(つか)えが下りたようでございますですよ」
二人になるとおしずは舌を出した。
「ひと助けしちゃったわね」
『妹の縁談』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
小学館 | 409677202X |
タイトル |
山本周五郎中短篇秀作選集 2 『惑う』 単行本 | 収録作品 |
晩秋 金五十両 泥棒と若殿(わかとの) おたふく 妹の縁談 湯治 しじみ河岸(がし) 釣忍(つりしのぶ) なんの花か薫る あんちゃん 深川安楽亭 落葉の隣り |
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惑う (山本周五郎中短篇秀作選集 2)
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出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134192 |
タイトル |
山本周五郎 『つゆのひぬま』 文庫本 | 収録作品 |
武家草鞋(ぶけわらじ) おしゃべり物語 山女魚(やまめ) 妹の縁談 大納言狐(だいなごんぎつね) 水たたき 凍(い)てのあと つゆのひぬま 陽気な客 |
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つゆのひぬま (新潮文庫)
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