武道絵手本
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 15 (1940) 年 | 譚海 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 武道絵手本 |
時 と 所
江戸時代 岡崎城下
主な人物
- 信田 孫次郎(しのだ) 甲斐ノ国巨摩郡(こまごおり)の郷士の子 穴山流という槍術を学び十八歳の頃には近郷に彼の相手は無く、笈(きゅう)を負って江戸へ出て下石派中村派の槍法を学ぶ それから相模の無辺流、尾張家の原田市郎兵衛、筑後の離想流と修行の旅中に、岡崎藩の老職水野将監と知己になった
- 杉村 壱岐之助(いきのすけ) 藩一番の腕達者で、孫次郎と同年ぐらいの二十七八 水野将監の娘七重とは縁者に当る
Memo
「己(おれ)にだって意趣はある」
壱岐之助は大剣を抜いて云った。
「貴公は七重を己から奪(と)った」
「なに ・・・ 七重どの」
「あれは拙者が生涯に唯一人の妻と思っていた人だ。 それを貴公が来て横から奪った、その恨だ ・・・ 来い!
「そうか、そうだったのか」
孫次郎は頷いた。
「それでこんな騒ぎを持起したのだな。 ・・・ よし、相手になってやる。 思う存分斬って来い」
「いざ!」
『武道絵手本』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134635 |
タイトル |
山本周五郎 『怒(いか)らぬ慶之助(けいのすけ)』 文庫本 | 収録作品 |
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怒らぬ慶之助 (新潮文庫)
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