風車
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 13 (1938) 年 | 婦人倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 風車 |
時 と 所
江戸時代 江戸城下
主な人物
- 梶原 金之助(かじわら) 二十六歳、大阪の与力の二男で出世の途(みち)を求めるために江戸へ出て来てもう二年になる 備前池田家の江戸留守役をしている叔父の藤田三右衛門から生活費を送られていた
- おつゆ 金之助が住む長屋の家主松兵衛の亡妻の姪(めい)で、月々の手当を定めて身辺の世話をするのに雇われた
Memo
隣りの部屋からは、いつか金之助の健康な寝息が聞え始めた、おつゆは行灯の火をかき立てながら、一度納戸へ押入れて置いた風呂敷包を取出してひろげた、── 中からは赤や紫や緑の美しい紙片が現われた、「一文風車」の内職である、この正月から暮しの足しに、金之助には知らさず、夜毎々々おつゆは風車を作っていたのである、
── 是で今夜から。
とおつゆは胸の中で呟いた。
── 本当にこの風車がお役に立つようになった。
『風車』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134550 |
タイトル |
山本周五郎 『人情武士道』 文庫本 | 収録作品 |
曾我平九郎(そがへいくろう) 癇癪料(かんしゃくりょう)二十四万石 竹槍(たけやり)念仏 風車 驕(おご)れる千鶴(ちづる) 武道用心記 しぐれ傘(がさ) 竜(りゅう)と虎(とら) 大将首 人情武士道 猿耳(えんじ) 家常茶飯 |
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人情武士道 (新潮文庫)
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