山本 周五郎
偸盗
Top page 作家 一覧 
山本周五郎 短編作品
発表年 発表誌
昭和 36 (1961) 年 オール讀物
著者名 作品名
山本周五郎 偸盗(ちゅうとう)

時 と 所

平安時代  京の都・鬼鮫の山さい

主な人物

Memo

「わたしが盗む側にまわったのは」 と彼は左手の掌(てのひら)を右手の拳で打ちながら云った、「はてしなき労働、凶作、疫れい、洪水、地震、などという貧困と災厄によるのではなく、盗む者と盗まれる者とによってこの世の平衡が保たれている、という現実を認識したからであります、こういう認識が頭にうかぶということは、すなわち、わたくしが盗まれる愚者の群れにではなく、盗む勇気と知恵のある者、一と口に申せば貴族的少数者に属する、という証拠だと信じたからであります、── 貴族的少数者、わたくしはべつにかれらを尊敬するものではない、世の中の釣合を保つことでかれらの側に付いたのだが、かれらはそれを理解しないばかりか、逆にわたくしを偸盗と呼んで追捕しようとするのです、は、かれらがですよ、盗む者であるところのかれらが、同じ側に立つところのこのわたくしをです、── おそらく、あなた方は信じられないでしょう、だが、不幸なことにこれが現実なのであります」
                        『偸盗』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101134147
タイトル
山本周五郎  『おさん』  文庫本
収録作品
青竹  夕霞(ゆうもや)の中  みずぐるま  葦(あし)は見ていた  夜の辛夷  並木河岸(なみきがし)  その木戸を通って  おさん  偸盗  饒舌(しゃべ)り過ぎる
Amazon  おさん (新潮文庫) 

配信広告 【 Yahoo! アドパートナー 】

配信広告 【 Google AdSense 】

a あ

b ば

  ぼ

  ぶ

  びょ

c ちゃ

  ち

  ちょ

  ちゅ

d だ

  ど

 

e え

f ふ

g ぐ

h は

  へ

  ひ

  ほ

  ひゃ

  ひょ

i  い

j じ

  じょ

  じゅ

k か

  き

  こ

  く

  きょ

m ま

  め

  み

  も

  む

n な

  ね

  に

  の

  にょ

 

o お

r ら

  ろ

  りゅ

s さ

  せ

  し

  そ

  す

  しゃ

  しょ

  しゅ

t た

  と

  つ

u う

w わ

y や

  よ

  ゆ

z ざ