大納言狐
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 29 (1954) 年 | 週刊朝日増刊号 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 大納言狐(だいなごんぎつね) |
時 と 所
平安時代 京・摂津の池田という山麓の部落
主な人物
- 紀ノ友雄(ともお) 奥(むつ)の国から出て来た大学寮の学生(がくしょう) 二年まえから恋する姫へ寝食も忘れ精根をかたむけ十余日もついやして書きあげた艶書(えんぞ)の返書に深く傷つき、高徳なひじりに会いに摂津の大峰山へ向った
- 私 三十七歳、大学寮を出て五位の蔵人(くらんど)に なにがし左少将の姫に連れ戻すよう頼まれ、紀ノ友雄を馬で追っかけた
Memo
「貴方(あなた)は摂津の大峰山のひじりのことを聞きませんでしたか」 と彼が云った、「その奇特な修行によって、夜ごと草庵のほとりに奇蹟があらわれるということを」
私は首を振り、「いや」 と云った。
「私はその噂を聞き、人をやって慥(たし)かめさせたのです」
「その、── 奇蹟をかい」
「ひじりの住んでいる草庵のほとりに」 と彼は云った、「夜ごと普賢菩薩(ふげんぼさつ)が顕現するんです」
『大納言狐』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134192 |
タイトル |
山本周五郎 『つゆのひぬま』 文庫本 | 収録作品 |
武家草鞋(ぶけわらじ) おしゃべり物語 山女魚(やまめ) 妹の縁談 大納言狐 水たたき 凍(い)てのあと つゆのひぬま 陽気な客 |
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つゆのひぬま (新潮文庫)
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