女は同じ物語
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 30 (1955) 年 | 講談倶楽部 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 女は同じ物語 |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 梶 竜右衛門(かじ) 四十七歳、二千百三十石の城代家老
- さわ 竜右衛門の妻、四十二歳
- 梶 広一郎 竜右衛門とさわの一人息子、二十六歳 役料十五石で藩の文庫へ勤めている
- 紀伊 城下の茗荷屋文左衛門という呉服屋の娘で、名はよの、年は十七 さわが広一郎につけた侍女で、一年限りの行儀見習いに選ばれ梶家の奥にあがった七人の召使のひとり
Memo
父は枝島の娘と縁談があったのを、自分からすすんでいまの母を娶(めと)った。 枝島の娘はときといい、器量はさわ女ほどではないが、気だてがやさしく、琴の名手として評判だった。 父がさわ女を娶ったあと、枝島では長男が死んだので、さわ女の弟で甚兵衛という人が入婿した。 それから三年、その二人の若い良人たちは、お互いの自分の家庭生活について語り、結婚まえにその娘がどうみえようと、── 気が強そうにみえようとやさしそうにみえようと、── 結婚してしまえばみな同じようなものである。 色情と物欲と虚栄と頑迷の強さにおいて、すべて男の敵とするところではない。 という結論に達し、両人相共に、嘆いたということであった。
『女は同じ物語』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
小学館 | 4096772011 |
タイトル |
山本周五郎中短篇秀作選集 1 『待つ』 単行本 | 収録作品 |
内蔵允留守(くらのすけるす) 柘榴(ざくろ) 山茶花帖(さざんかちょう) 柳橋物語(やなぎばしものがたり) つばくろ 追いついた夢 ぼろと釵(かんざし) 女は同じ物語 裏の木戸はあいている こんち午(うま)の日 ひとでなし |
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待つ (山本周五郎中短篇秀作選集 1)
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出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134208 |
タイトル |
山本周五郎 『ひとごろし』 文庫本 | 収録作品 |
壷(つぼ) 暴風雨(あらし)の中 雪と泥 鵜(う) 女は同じ物語 しゅるしゅる 裏の木戸はあいている 地蔵 改訂御定法(ごじょうほう) ひとごろし |
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ひとごろし (新潮文庫)
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