鶴は帰りぬ
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 32 (1957) 年 | 週刊朝日増刊号 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 鶴(つる)は帰りぬ |
時 と 所
江戸時代 某城下の宿場
主な人物
- 実(じつ) 二十三四、伯父の店「鳥十」の飛脚 父を七つの年に母を十一で亡くし、母の兄のうちで奉公人同様の苦労もしたがまっすぐに育った ただ、しんみな本当の愛情だけは足りなかった
- おせき 年は三十、実の常宿「相田屋」に十年ちかくもいる妓(おんな) 十七で提灯を持って飛脚の先に立った提灯持ちのころから、実に目にかけてきた
- おとわ 相田屋の女中 おせきのはからいで実の番になる
Memo
「悪いいたずらをするやつがあるもんだ」とおせきは云った、「それでも取りっ放しじゃなかったからまだしもだけれど、── おひやはないの、実さん」
「持って来させよう」
「それには及ばないよ、これから飲むんだから」と云って、おせきは頭をがくっとさせた、「── おまえさんの泊る七番にあった鶴が、かえって来たのを知ってるかい」
実はその意味がすぐにはわからなかった。
『鶴は帰りぬ』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134154 |
タイトル |
山本周五郎 『おごそかな渇き』 文庫本 | 収録作品 |
蕭々(しょうしょう)十三年 紅梅月毛(つきげ) 野分(のわき) 雨あがる かあちゃん 将監(しょうげん)さまの細みち 鶴は帰りぬ あだこ もののけ おごそかな渇き |
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おごそかな渇き (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
新潮社 | 4106440377 |
タイトル |
山本周五郎テーマコレクション 『恋慕(れんぼ)』 単行本 | 収録作品 |
野分(のわき) 菊千代抄 あんちゃん 鶴は帰りぬ やぶからし おさん |
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恋慕 (山本周五郎テーマ・コレクション)
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