つゆのひぬま
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 31 (1956) 年 | オール讀物 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | つゆのひぬま |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- おひろ 二十五歳、深川の南の端にある佃町の岡場所「蔦谷」で、いちばんの年長で最古参 「武家」の出であり、「病身の良人と子供が一人ある」
- おぶん 二十歳、四人いる「蔦谷」の女のひとり 兄の増次が病気の父親を殺し自分も大川へ身を投げて死んだ、そのためにおぶんも二十日ばかり寝るようなことになった
- 良助 二十六歳、おぶんの客 「おれは五つの年から、人に踏みつけられ、ぺてんをくわされて来た、こんどはおれの番だ、この気持がわかるか」
Memo
「死ねつもりならなんでもできる、そう思ってここへはいったのよ」とおひろは、まるでうたうような口ぶりで云った、「それからもうあしかけ五年、月づきの仕送りだけはしているけれど、初めの、二人で家出をしたころのような気持ちは残ってはいないわ、いまあたしとうちの人をつないでいるのは、月づきの仕送りだけといってもいいくらいよ──、おぶんちゃん、どんなにしんじつ想いあう仲でも、きれいで楽しいのはほんの僅かなあいだよ、露の干ぬまの朝顔、ほんのいっときのことなのよ」
『つゆのひぬま』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134192 |
タイトル |
山本周五郎 『つゆのひぬま』 文庫本 | 収録作品 |
武家草鞋(ぶけわらじ) おしゃべり物語 山女魚(やまめ) 妹の縁談 大納言狐(だいなごんぎつね) 水たたき 凍(い)てのあと つゆのひぬま 陽気な客 |
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つゆのひぬま (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
新潮社 | 4106440385 |
タイトル |
山本周五郎テーマコレクション 『抵抗(ていこう)』 単行本 | 収録作品 |
契りきぬ しじみ河岸(がし) なんの花か薫る こんち午(うま)の日 将監(しょうげん)さまの細みち つゆのひぬま |
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抵抗 (山本周五郎テーマ・コレクション)
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