彩虹
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表書 |
昭和 21 (1946) 年 | 講談雑誌 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 彩虹(にじ) |
時 と 所
江戸時代 鳥羽城下
主な人物
- 脇田 宗之助 稲垣家の国家老であった宗左衛門の一人息子 幼ない頃からずばぬけた俊敏の才をもち、十六歳のときに江戸へゆき専(もっぱ)ら法制の勉強をやっていたが、二十五歳で国家老に就任するため帰国した
- 樫村 伊兵衛 筆頭年寄、宗之助とは最も親しい旧友 幼な名を頼三郎といい、その頃からよく父に伴れられ「桃園」へ食事をしにいった
- さえ 料亭「桃園」のむすめ 昨夜桃園で初めてさえを見た宗之助が伊兵衛に、「あの女(むすめ)を嫁に欲しいんだ」
Memo
「その意味から云うと」と、伊兵衛はしずかに続けた、「 ・・・ 脇田は才能もぬきんでているし、風格もあのとおりだし、身分も家柄も申分のない男だ、難を云えばあまり條件がさえと違いすぎる点だが、これも脇田が自分で手順をつけると云う、彼のことだからこれはもちろん信じてもよいだろう、・・・ おれから云えることはこれだけだが、どう思うかね」
「まるでご自分のことのように熱心に仰しゃいますのね」 さえは顫(ふる)えるような微笑をうかべながら眼をあげた、「 ・・・ 他の方でしたら伺うのもいやですけれど、頼三郎さまのお言葉ですから考えてみます」
『彩虹』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
小学館 | 4096772038 |
タイトル |
山本周五郎中短篇秀作選集 3 『想う』 単行本 | 収録作品 |
壷 松の花 春三たび 薮(やぶ)の蔭(かげ) おもかげ 萱笠(すげがさ) 墨丸 風鈴 彩虹 七日七夜(なのかななよ) ほたる放生(ほうじょう) ちいさこべ あだこ ちゃん その木戸を通って |
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想う (山本周五郎中短篇秀作選集 3)
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