月夜の眺め
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 31 (1956) 年 | 小説春秋 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 月夜の眺(なが)め |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 伊藤 欣吾(きんご) 「先生」と呼ばれる浪人 大川に面した船宿「吉野」で酒を飲みながら、船頭たちに「武者ばなし」をしている
- 捨吉(すてきち) 年は二十六か七、親分の藤田組の下ではたらく岡っ引
- 銀太 年は十六か七 「きゃあ ──」 「おっ母(か)ちゃーん」 「痛えよう、おら死んじまうよう」 「おらなんにもしねえ」 「おらぁ見ていただけだ。 博奕もしなかったし抵抗もしなかった」
Memo
「おい」 と伊藤欣吾が呼びかけた。 「おまえそのまま番所へ曳いてゆくつもりか」
少年を左右からはさんでいた二人が、びくっとして振向いた。
「その血が見えないのか」 と伊藤欣吾が云った。 「そんなにひどく出血しているのに、そのまま番所に伴(つ)れてゆくつもりか、そのままだと番所へ着くまでに死んでしまうぞ」
『月夜の眺め』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134239 |
タイトル |
山本周五郎 『松風の門』 文庫本 | 収録作品 |
松風の門 鼓(つづみ)くらべ 狐(きつね) 評釈堪忍記 失恋第五番 湯治 ぼろと釵(かんざし) 砦山(とりでやま)の十七日 夜の蝶(ちょう) 釣忍(つりしのぶ) 月夜の眺め 薊(あざみ) 醜聞 |
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松風の門 (新潮文庫)
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