砦山の十七日
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山本周五郎 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 28 (1953) 年 | サンデー毎日増刊号 |
著者名 | 作品名 |
山本周五郎 | 砦山(とりでやま)の十七日 |
時 と 所
江戸時代(宝暦年間) 某城下・砦山
主な人物
- 笈川 哲太郎 二十四歳、七百五十石の中老職笈川伊織の長男 哲太郎を指揮者、庄田孫兵衛がその副、以下、笈川紋之助、正高大次郎、藤井功之助、西村伝蔵、吉田弥平次の七人の者が役目をはたして帰藩、そして砦山に登った
- 松尾 新六 五百石の近習番頭 哲太郎らの同志の一人で城中との連絡を受持っていた 次席家老鮎川多宮が策謀するまえに藩主河内守綱喜に直訴するため江戸に向う
- 梶井の千乃(ちの) 七百三十石の年寄役梶井主税の二女で哲太郎の許婚(いいなずけ) もう一人の同志、押籠められた城中の松本太兵衛に代わって、討手が迫っていることを知らせに登って来た
Memo
「松尾さんは砦山を知ってますか」
「砦山、── ああ知ってます」
「われわれはあそこで待つことにしましょう、あそこなら十月末までは人も近寄らないし、設備はできているし、かれらにすぐ発見されることもないと思うんですが」
「それがいい、砦山にしよう」 と哲太郎が云った、「ところで江戸までどのくらいで往(い)って来られるかね」
「乗り継ぎでとばすから早ければ十日、おそくとも十五日あれば充分だと思う」 新六は他の五人を見た、「── こういうわけだから、私が帰るまで砦山で待っていてくれ、一人でも欠けると証言するばあい困る、どんなことが起こっても必ず七人で待っていてくれ」
『砦山の十七日』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101134239 |
タイトル |
山本周五郎 『松風の門』 文庫本 | 収録作品 |
松風の門 鼓(つづみ)くらべ 狐(きつね) 評釈堪忍記 失恋第五番 湯治 ぼろと釵(かんざし) 砦山の十七日 夜の蝶(ちょう) 釣忍(つりしのぶ) 月夜の眺(なが)め 薊(あざみ) 醜聞 |
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松風の門 (新潮文庫)
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