夕べの光
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 52 (1977) 年 | 小説宝石 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 夕べの光 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- おりん 日雇い仕事で六つになる幸助と裏店に暮らす、二十六歳 手間取職人だった亭主が死んで、一年半ほどになる 幸助は、ほかの男と逃げた先の女房の子供だった おりんは、その前に一度嫁に行き、やはり蒔絵師の亭主に死なれていた
- 柳吉 大家の六蔵がおりんにひきあわせた小間物屋、三十過ぎに見える 女房運が悪くて二度も別れている、とか
- 新蔵 六蔵の世話で、おりんが女中として通うようになった呉服屋の手代、年は二十三、四にみえる 帰りの道で、柳吉に腕を掴(つか)まれ、あらがっているおりんを助けてくれた
Memo
「おや、そんな眼ェして ・・・」
おりんは土間に近づいた。 すると幸助はすばやく入口まで逃げた。 いやな眼つきでおりんを睨(にら)んでいる。
「悪いと思ってないんだね、お前。 それじゃ晩ご飯はいらないんだね」
「いらねえや」
不意に幸助が叫んだ。
「ほんとのおっかさんでもないくせに、いばった口をきくな」
言うと、入口から幸助の姿が消えた。 走り去る小さい足音がした。
薄暗い部屋の中に、おりんはしばらく茫然と立ちすくんだ。
── 誰がそんなことをおしえたんだろ。
『夕べの光』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642208 |
タイトル |
藤沢周平全集 第二巻 単行本 | 収録作品 |
冬の潮(うしお) 意気地なし 秘密 しぶとい連中 石を抱く 暁のひかり 龍(りゅう)を見た男 夜の橋 拐(かどわか)し 神隠し 閉ざされた口 闇の穴 三年目 狂気 荒れ野 春の雪 遠い少女 昔の仲間 疫病神 裏切り 夕べの光 冬の足音 暗い渦 うしろ姿 告白 捨てた女 夜の雷雨 暗い鏡 人殺し 朝焼け |
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藤沢周平全集 第二巻
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