唆す
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 49 (1974) 年 | オール讀物 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 唆(そそのか)す |
時 と 所
江戸時代(慶応年間) 江戸市中
主な人物
- 神谷 武太夫 裏店(うらだな)住まいの浪人、三十八歳 七年前の安政六年、郡代役所に勤務していて百姓一揆を煽った疑いをもたれ、羽州海坂藩を追放された むかし三年ほど江戸屋敷に勤めたことから、江戸に来た
- 滝乃 武太夫の内儀、三十二歳 百十石の神谷家を潰し、その家の嫁の座から、裏店の浪人の境涯に自分を落とした男を許すことが出来ないのだ、と武太夫には思われた
- 新八 武太夫とは顔馴染のかわら版売り
Memo
── ひと騒ぎ起きるな。
と武太夫は思った。 それもなみの騒ぎではない。 規模が大きく、押さえがきかないような騒ぎが、やがて起こる予感がした。 むくりと、胸の中で何かが動く気配がした。 それは、武太夫の中で、長く眠っていたものだった。
「押し込みですがね、旦那」
新八の声に、武太夫は夢から覚めたように顔を挙げた。 あたりはだいぶ薄暗い。 広小路の人混みは、ほとんど消えて、疎らに人が歩いているだけである。
「ゆんべは明神下の遠州屋という筆屋がやられたそうですぜ」
『唆す』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247045 |
タイトル |
藤沢周平 『冤罪』 文庫本 | 収録作品 |
証拠人 唆す 潮田伝五郎置文 密夫の顔 夜の城 臍曲がり新左 一顆の瓜 十四人目の男 冤罪 |
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冤罪 (新潮文庫) へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163255705 |
タイトル |
海坂藩大全(うなさかはんたいぜん) 上 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 相模守は無害 唆(そそのか)す 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 鬼気 竹光始末 遠方より来(きた)る 小川の辺(ほとり) 木綿触れ 小鶴 |
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海坂藩大全 上 へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来る 乱心 雪明かり |
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