龍を見た男
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表紙 |
昭和 51 (1976) 年 | 山形新聞 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 龍(りゅう)を見た男 |
時 と 所
江戸時代 海坂藩油戸の漁村
主な人物
- 源四郎 漁師、三十五歳 父の嘉右衛門は十年ほど前、母親も二年前に亡くなった 数年前、村の者と大喧嘩をし油戸の漁師の中で孤立していた
- おりく 源四郎の女房、三十歳 獲れた魚を背負って売りに行き、畑にも出る 子供はなかった
- 寅蔵(とらぞう) 源四郎の甥(おい)、十七歳 隣村の漁師に嫁入った姉の子で、十五の年に百姓の家に若勢(わかせ)奉公に行ったが商家に奉公したいと家に戻ってぶらぶらしていたのを、源四郎が漁師に仕込んでやると二月(ふたつき)前に連れてきた
Memo
「ンださげ、俺(おら)も信心しろてが?」
と源四郎は小馬鹿にしたような笑いを浮かべて、おりくをみた。
「ンだって、心配でならねもの。 夜釣りには出るし、海が荒れ気味でも船出す人ださげ」
「ついでに女遊びも止まると、そう考えたのか?」
源四郎は言うと、屋根を叩(たた)く風雨に負けないような大声で怒鳴った。
「馬鹿やろめ! 俺は信心なんてものは大嫌(だいきれ)えだ。 俺は誰の助けも借りねえ。 ちゃんと自分の力でやる。 よけいだ口叩くな」
『龍を見た男』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247182 |
タイトル |
藤沢周平 『龍を見た男』 文庫本 | 収録作品 |
帰って来た女 おつぎ 龍を見た男 逃走 弾む声 女下駄 遠い別れ 失踪 切腹 |
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龍を見た男 (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642208 |
タイトル |
藤沢周平全集 第二巻 単行本 | 収録作品 |
冬の潮(うしお) 意気地なし 秘密 しぶとい連中 石を抱く 暁のひかり 龍(りゅう)を見た男 夜の橋 拐(かどわか)し 神隠し 閉ざされた口 闇の穴 三年目 狂気 荒れ野 春の雪 遠い少女 昔の仲間 疫病神 裏切り 夕べの光 冬の足音 暗い渦 うしろ姿 告白 捨てた女 夜の雷雨 暗い鏡 人殺し 朝焼け |
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藤沢周平全集 第二巻
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