失踪
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 56 (1981) 年 | 問題小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 失踪(しっそう) |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 徳蔵 小僧二人の小さな呉服屋の亭主 呉服問屋「佐久」で手代まで勤め、いまの家を借りて古手屋をはじめた 二、三年前から上等の絹物を扱い、武家屋敷の方にもとくい先が出来、店売りもけっこういそがしくなった
- おとし 徳蔵の女房、四十になった 男たちは日中外にでているので、店売りと、掃除、洗い物、飯の支度と家の中のことは、おとし一人がやるしかない 十六になるひとり息子の長太郎は、佐久に奉公に出ていた
- 芳平 徳蔵の父親、今年六十七になる 裏店から料理屋の下働きに通い勤めをし、二十年前に女房と死に別れてから一人で暮していたが、五年前に軽い中風で倒れ、引き取られていた
Memo
そんなぜいたくをしちゃいけない、とおとしは思うのである。 手伝いばあさんを雇う金がないわけではないが、一度そのぜいたくを自分に許してしまうと、つぎつぎと楽をしたくなる気がしてこわかった。 台所ばあさんを雇えば、つぎには店番の人間を雇って、たまにはのんびりと寺詣りにでも行きたい、と思うようになるだろう。
── まだ早い。
とおとしは思うのだ。 もっと広い店を持てるかどうか、いまがその境い目だった。 気を許してはならない。 これまでと同じように、堅く堅くやって行くのだ。
『失踪』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247182 |
タイトル |
藤沢周平 『龍を見た男』 文庫本 | 収録作品 |
帰って来た女 おつぎ 龍を見た男 逃走 弾む声 女下駄 遠い別れ 失踪 切腹 |
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龍を見た男 (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642307 |
タイトル |
藤沢周平全集 第三巻 単行本 | 収録作品 |
驟(はし)り雨 遅いしあわせ 泣かない女 贈り物 歳月 ちきしょう! 虹の空 運の尽き おばさん 亭主の仲間 時雨(しぐれ)みち 幼い声 夜の道 怠け者 盗み喰い 滴る汗 追われる男 おさんが呼ぶ 禍福 おとくの神 失踪(しっそう) 帰って来た女 おつぎ 逃走 夜消える 女下駄(おんなげた) 遠い別れ 鬼ごっこ 冬の日 寒い灯 にがい再会 永代橋 踊る手 消息 初つばめ 遠ざかる声 |
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藤沢周平全集 第三巻
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