暗い鏡
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 53 (1978) 年 | 小説現代 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 暗い鏡 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 政五郎 鏡研(と)ぎの職人で、手をとって仕込んだ男たち五人を使っている 倅(せがれ)の清蔵も一人前で、大ていの注文はまかせていた 五十になって、ひさしぶりに仕事をすると、鏡研ぎは疲れる、そう思うようになった
- おみき 政五郎の弟の子で、十五の時にはやり病いでつづけざまに両親を失った 一年ほど政五郎の家で暮したが、やがて米屋の女中に奉公先が見つかって出て行った 何軒か奉公先を替ったものの、二十七になる今日まで、女中奉公で暮らして来た
Memo
「こりゃどうして、うめえもんだ。 按摩はだしだ」
しばらくもんでもらったあとで、政五郎は眼をひらいてほめた。 じっさいに、肩が軽くなったような気がした。
「おはま。 こないだこさえたギヤマンの鏡は、ありゃどこにしまったかな」
「そこの戸棚にあるよ」
「おきみに上げな。 出来は悪くねえもんだ」
「おやおや」
たちあがりながら、おはまは笑った。
「味をしめて、今度来たときまたやってもらおうと、あんなこと言ってるよ」
夜の飯を喰って行け、と言ったが、おきみは日が暮れて政五郎がまた茶の間にもどって来たときには、もういなかった。
『暗い鏡』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
中央公論社 中公文庫 | 978-4122010963 |
タイトル |
藤沢周平 『夜の橋』 文庫本 | 収録作品 |
鬼気 夜の橋 裏切り 一夢の敗北 冬の足音 梅薫る 孫十の逆襲 泣くな、けい 暗い鏡 |
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夜の橋 (中公文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642208 |
タイトル |
藤沢周平全集 第二巻 単行本 | 収録作品 |
冬の潮(うしお) 意気地なし 秘密 しぶとい連中 石を抱く 暁のひかり 龍(りゅう)を見た男 夜の橋 拐(かどわか)し 神隠し 閉ざされた口 闇の穴 三年目 狂気 荒れ野 春の雪 遠い少女 昔の仲間 疫病神 裏切り 夕べの光 冬の足音 暗い渦 うしろ姿 告白 捨てた女 夜の雷雨 暗い鏡 人殺し 朝焼け |
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藤沢周平全集 第二巻
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