時雨のあと
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 50 (1975) 年 | 週刊小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 時雨(しぐれ)のあと |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 安蔵 丸金こと、頭の金五郎のもとで鳶をしていた 小さな薬種屋を営んでいた両親が、借金のため二人の子供を置き去りに失踪した 安蔵が十一、みゆきが三つの時だった 二人は一時遠縁に預けられたが、一人前の鳶になった安蔵は、十になった妹を裏店に引き取った
- みゆき 「まずお前を嫁にやって、それから俺が嫁をもらう」というのが安蔵の口癖だったが、五年前のある日、高い足場から落ちて足首を折った 医者の掛りと、その後の兄の居職(いじょく)の修行を支えるため、妹は自ら身を売った
Memo
「三両も?」
みゆきは眼を瞠(みは)った。
「駄目か」
安蔵はがっかりしたように言った。 その暗い表情をみて、みゆきはあわてて言った。
「何とかなると思うわ」
「済まないな、いつも」
安蔵の顔が現金にいきいきと輝いた。
「じつは少し材料を買ってな。 自分で作ってみたい細工物があるのだ。 うまくいけば、すぐ金になる。 それだけじゃない。 一人立ちする目どがつく」
「もうそんなに上手になった?」
『時雨のあと』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247038 |
タイトル |
藤沢周平 『時雨のあと』 文庫本 | 収録作品 |
雪明かり 闇の顔 時雨のあと 意気地なし 秘密 果し合い 鱗雲 |
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時雨のあと (新潮文庫) へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163628301 |
タイトル |
藤沢周平短篇傑作選 3 『冬の潮』 単行本 | 収録作品 |
時雨のあと 冬の潮 しぶとい連中 秘密 意気地なし 暁のひかり 石を抱く 閉ざされた口 狂気 荒れ野 春の雪 遠い少女 |
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冬の潮 (藤沢周平短篇傑作選 3) へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642109 |
タイトル |
藤沢周平全集 第一巻 単行本 | 収録作品 |
溟(くら)い海 囮(おとり) 賽子無宿(さいころむしゅく) 黒い縄 帰郷 恐喝 夜が軋(きし)む 割れた月 闇の梯子 父(ちゃん)と呼べ 疑惑 密告 入墨 馬五郎焼身 旅の誘(いざな)い 鬼 おふく 霜の朝 時雨(しぐれ)のあと 穴熊 冬の終りに |
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