割れた月
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 48 (1973) 年 | 問題小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 割れた月 |
時 と 所
江戸時代(文政年間) 江戸市中
主な人物
- 鶴吉 元錺(かざり)職、二十八歳 手目(てめし)博奕を打ち、鎌鼬(かまいたち)の異名で渡世人に忌み嫌われていたが、五年前に密告(さ)されて島送りになった 四月前に三宅島で赦免を言い渡され、漸くいま本土に着いた
- お菊 小間物問屋で住込みの女中を 鶴吉が住んでいた長屋のお隣 お菊の父親の理助は、島から帰って泊まる場所にも困っていた鶴吉を、暮らしのメドが立つまで居てもいいと置いてくれた
Memo
「理助さん」
鶴吉が呼ぶと、理助は微かに眼を開いた。 意識はあるようだったが、開いたままの口から小さな呻き声を洩らしただけだった。
「安心しな。 いま人を呼んできて家に運んでやるぜ。 なに、大した病気じゃねえよ」
理助は、また呻き声を洩らし、眼を閉じた。 御船蔵前町の自身番を探して歩きながら、鶴吉は、(これから、どういうことになるのだ)と思った。 思いがけない重荷が、ずっしりと肩を圧してきたのを感じたが、その重さから逃れることは考えなかった。 たとえ逃げても、行く場所はなかった。
『割れた月』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
文藝春秋 文春文庫 | 978-4167192402 |
タイトル |
藤沢周平 『又蔵の火』 文庫本 | 収録作品 |
又蔵(またぞう)の火 帰郷 賽子無宿(さいころむしゅく) 割れた月 恐喝 |
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又蔵の火 (文春文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642109 |
タイトル |
藤沢周平全集 第一巻 単行本 | 収録作品 |
溟(くら)い海 囮(おとり) 賽子無宿 黒い縄 帰郷 恐喝 夜が軋(きし)む 割れた月 闇の梯子 父(ちゃん)と呼べ 疑惑 密告 入墨 馬五郎焼身 旅の誘(いざな)い 鬼 おふく 霜の朝 時雨(しぐれ)のあと 穴熊 冬の終りに |
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藤沢周平全集 第一巻
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