藤沢 周平
溟い海
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 46 (1971) 年 オール讀物
著者名 作品名
藤沢周平 溟(くら)い海

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

「おっしゃるとおり駈け出しで、先生にも、今後いろいろ教えて頂きたいものです」
「なーに。 教えてもらうのは、案外こっちかも知れないよ」
 北斎は、その厚い肉の下に潜んでいるしたたかなものに爪を立てるように、えげつない言葉を続けた。
「嵩山房さん。 この人は、今が駈け出しで、これからもっとうまくなるつもりだ。 若い人は羨ましいや」
 広重は、また微笑を頬に刻んだ。 北斎には、その微笑が傷つくことのない軟質の壁のように見えた。
                     『溟い海』文中より

収録本

出版社 ISBN
文藝春秋  文春文庫 978-4167192013
タイトル
藤沢周平  『暗殺の年輪』  文庫本
収録作品
黒い縄  暗殺の年輪  ただ一撃  溟(くら)い海  囮(おとり)
Amazon  暗殺の年輪 (文春文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642109
タイトル
藤沢周平全集 第一巻  単行本
収録作品
溟(くら)い海  囮(おとり)  賽子無宿(さいころむしゅく)  黒い縄  帰郷  恐喝  夜が軋(きし)む  割れた月  闇の梯子  父(ちゃん)と呼べ  疑惑  密告  入墨  馬五郎焼身  旅の誘(いざな)い  鬼  おふく  霜の朝  時雨(しぐれ)のあと  穴熊  冬の終りに
Amazon  藤沢周平全集 第一巻 

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