藤沢 周平
冬の足音
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 52 (1977) 年 別冊小説宝石
著者名 作品名
藤沢周平 冬の足音

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

「考えることはないだろ。 こんないい縁談をのがしたら、お前、もう当分は日がささないよ」
「ちょっと黙ってよ、おっかさん」
 と、お市は言った。 思わず鋭い声になっていた。 早く決めさせたい気持ちが露骨に見える母親の態度に、いら立たしい気分をかき立てられていた。
「叔母さん、悪いけど二、三日考えさせて」
 そういうとお市は、急に立って茶の間を出た。 うしろで、「なあに、あれ」という叔母の声と、「すみませんね、およしさん」とお辰が詫びる声がしたが、お市は振りむかなかった。
                     『冬の足音』文中より

収録本

出版社 ISBN
中央公論社  中公文庫 978-4122010963
タイトル
藤沢周平  『夜の橋』  文庫本
収録作品
鬼気  夜の橋  裏切り  一夢の敗北  冬の足音  梅薫る  孫十の逆襲  泣くな、けい  暗い鏡
Amazon  夜の橋 (中公文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642208
タイトル
藤沢周平全集 第二巻  単行本
収録作品
冬の潮(うしお)  意気地なし  秘密  しぶとい連中  石を抱く  暁のひかり  龍(りゅう)を見た男  夜の橋  拐(かどわか)し  神隠し  閉ざされた口  闇の穴  三年目  狂気  荒れ野  春の雪  遠い少女  昔の仲間  疫病神  裏切り  夕べの光  冬の足音  暗い渦  うしろ姿  告白  捨てた女  夜の雷雨  暗い鏡  人殺し  朝焼け
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