おさんが呼ぶ
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 55 (1980) 年 | 週刊小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | おさんが呼ぶ |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- おさん 紙問屋「伊豆屋」の下働き、齢は十九 度をこえた無口だった 十四で奉公に来て、この五年間でおさんが口を利いたのはたった一度、大きな地震で「こわい」と叫んだときぐらいだった
- 兼七 百姓仕事のかたわら紙を漉(す)いて暮らしを立てている村の者、三十近い 長い取引きだった紙問屋がこの春突然に潰(つぶ)れ、必死に新しい納め先をさがすことになり、選ばれて兼七が江戸に来た
Memo
兼七は、今日の回り先の首尾がよほどうれしかったのか、ぽつりぽつりと長話をした。 おさんの無口を、あんまり気にしていないようにみえた。
「村を出て、そろそろふた月近くなります。 残っている子供が気になって来ました。 五つになる女の子がいるのですよ」
「 ・・・・・・ 」
「二年前女房に死なれましてね。 おふくろにみてもらっていますが、おふくろもなにせ年寄り、子供が心配でならないのです」
おさんは大急ぎでうなずいた。声が出ない自分がもどかしかった。 おさんは男を力づけてやりたい気持ちに駆られている。
『おさんが呼ぶ』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247090 |
タイトル |
藤沢周平 『時雨みち』 文庫本 | 収録作品 |
帰還せず 飛べ、佐五郎 山桜 盗み喰い 滴る汗 幼い声 夜の道 おばさん 亭主の仲間 おさんが呼ぶ 時雨みち |
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時雨みち (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642307 |
タイトル |
藤沢周平全集 第三巻 単行本 | 収録作品 |
驟(はし)り雨 遅いしあわせ 泣かない女 贈り物 歳月 ちきしょう! 虹の空 運の尽き おばさん 亭主の仲間 時雨(しぐれ)みち 幼い声 夜の道 怠け者 盗み喰い 滴る汗 追われる男 おさんが呼ぶ 禍福 おとくの神 失踪(しっそう) 帰って来た女 おつぎ 逃走 夜消える 女下駄(おんなげた) 遠い別れ 鬼ごっこ 冬の日 寒い灯 にがい再会 永代橋 踊る手 消息 初つばめ 遠ざかる声 |
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藤沢周平全集 第三巻
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