藤沢 周平
おさんが呼ぶ
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 55 (1980) 年 週刊小説
著者名 作品名
藤沢周平 おさんが呼ぶ

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

 兼七は、今日の回り先の首尾がよほどうれしかったのか、ぽつりぽつりと長話をした。 おさんの無口を、あんまり気にしていないようにみえた。
「村を出て、そろそろふた月近くなります。 残っている子供が気になって来ました。 五つになる女の子がいるのですよ」
「 ・・・・・・ 」
「二年前女房に死なれましてね。 おふくろにみてもらっていますが、おふくろもなにせ年寄り、子供が心配でならないのです」
 おさんは大急ぎでうなずいた。声が出ない自分がもどかしかった。 おさんは男を力づけてやりたい気持ちに駆られている。
                     『おさんが呼ぶ』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101247090
タイトル
藤沢周平  『時雨みち』  文庫本
収録作品
帰還せず  飛べ、佐五郎  山桜  盗み喰い  滴る汗  幼い声  夜の道  おばさん  亭主の仲間  おさんが呼ぶ  時雨みち
Amazon  時雨みち (新潮文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642307
タイトル
藤沢周平全集 第三巻  単行本
収録作品
驟(はし)り雨  遅いしあわせ  泣かない女  贈り物  歳月  ちきしょう!  虹の空  運の尽き  おばさん  亭主の仲間  時雨(しぐれ)みち  幼い声  夜の道  怠け者  盗み喰い  滴る汗  追われる男  おさんが呼ぶ  禍福  おとくの神  失踪(しっそう)  帰って来た女  おつぎ  逃走  夜消える  女下駄(おんなげた)  遠い別れ  鬼ごっこ  冬の日  寒い灯  にがい再会  永代橋  踊る手  消息  初つばめ  遠ざかる声
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