弾む声
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 57 (1982) 年 | 週刊小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 弾む声 |
時 と 所
江戸時代 江戸城下
主な人物
- 矢野 助佐衛門 隠居するまで幕府小普請奉行(こぶしんぶぎょう)の下で吟味役を勤めた 支配組頭(くみがしら)のすすめで、一年ほど前に家督を倅市之丞(いちのじょう)に譲った
- 満尾 助佐衛門の妻 夫婦二人だけでいまの家に越して来て、ほぼ一年になる 孫もいる息子夫婦の家にもどるのは、月に一度ぐらいだった
Memo
助佐衛門は、はじめは妻をたしなめるつもりだったのに、逆のことを口にした。
「どうしたかとたしかめるぐらいはかまわんだろう。 あとで行って来い」
その子の声を、はじめて聞いたのは、去年の夏の終りごろである。
朝の食事が終って、夫婦がいまのようにお茶を飲んでいると、家の外でいきなり子供の声がした。
「おせーきちゃん」
と、その声は呼んでいた。 元気のいい、弾むような声だった。 初老の夫婦が、思わず顔を見合わせて微笑したほど大きな声だったが、声は女の子である。 齢(とし)は十かそこらだろう。 その齢ごろ相応の甲高(かんだか)い声だった。
「大きな声だの」
「おせきちゃんというのは、お隣の娘の名前ですよ」
と、満尾が註釈(ちゅうしゃく)を入れた。
『弾む声』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247182 |
タイトル |
藤沢周平 『龍を見た男』 文庫本 | 収録作品 |
帰って来た女 おつぎ 龍を見た男 逃走 弾む声 女下駄 遠い別れ 失踪 切腹 |
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龍を見た男 (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642505 |
タイトル |
藤沢周平全集 第五巻 単行本 | 収録作品 |
闇の顔 小川の辺(ほとり) 木綿触れ 夢ぞ見し 一夢の敗北 小鶴 梅薫る 孫十の逆襲 泣くな、けい 泣く母 飛べ、佐五郎 山桜 帰還せず 報復 弾む声 切腹 花のあと -以登女(いとじょ)お物語- 雪間草 悪癖 麦屋町昼下がり 三ノ丸広場下城どき 山姥橋夜五ツ 榎屋敷宵の春月 |
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藤沢周平全集 第五巻
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