証拠人
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 48 (1973) 年 | 小説新潮 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 証拠人 |
時 と 所
江戸時代 鶴ヶ岡城下・忍城下 ほか
主な人物
- 佐分利 七内 関ヶ原の役で西軍に属した主家が潰(つぶ)れ、以来二十数年浪浪の身、四十歳 荘内(しょうない)藩で人を召し抱えると聞いて、ここまで来た
- 島田 重太夫 関ヶ原の合戦場で、「松平下野守御家中、島田重太夫だ」 「その首、俺が証拠人になろう。 これも何かの縁だろう」 元来、忍領の地侍
Memo
「先年せきがはら御ぢんの砌(みぎり)、か
三人は読み進んだが、やがて吟味役の武士は声を高めた。
「藤堂佐渡守のせいと駆け合い平首二つ。 次に羽柴さえ門太夫正則の勢とかけ合い冑(かぶと)首ひとつ打留申候、か」
吟味約は、ちらりと七内を見た。
「この高名立会見候者は、松平下野守御家中島田重太夫存ぜられ候、と」
どうじゃな、と吟味約は左右の二人に言った。 同じ五十年輩の男と三十前後の若い武士の二人は漸(ようや)く顔を挙げた。 若い武士の自分を見た表情に、好意的な色が動いたのを七内は感じた。 三人は改めて七内から表情を隠すようにして、小声で相談した。 やがて吟味約の武士が咳払いをした。
『証拠人』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247045 |
タイトル |
藤沢周平 『冤罪』 文庫本 | 収録作品 |
証拠人 唆す 潮田伝五郎置文 密夫の顔 夜の城 臍曲がり新左 一顆の瓜 十四人目の男 冤罪 |
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冤罪 (新潮文庫) へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163628103 |
タイトル |
藤沢周平短篇傑作選 1 『臍曲(へそま)がり新左』 単行本 | 収録作品 |
紅の記憶 証拠人 臍曲がり新左 一顆の瓜 冤罪 竹光始末 遠方より来る 雪明かり 小川の辺 木綿触れ 夢ぞ見し |
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臍曲がり新左 (藤沢周平短篇傑作選 3) へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来(きた)る 乱心 雪明かり |
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