冤罪
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 50 (1975) 年 | 小説現代 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 冤罪(えんざい) |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 堀 源次郎 高二十七石堀家の三男、二十一歳 両親はとうに無く、勘定方に勤め四十二になる兄三郎右衛門に養われている 兄夫婦には、十六の竜江を頭に五人も子供がいる 次兄はさっさと自分で婿入り口を見つけ、百五十石の役付きの家に縁づいて、もう六年ぐらいたつ
- 相良 彦兵衛 勘定方で十五石、三郎右衛門より二つ三つ上のように見えた よく娘と二人庭の菜畑に出て、鍬(くわ)を使っているのを見かけた
- 明乃 彦兵衛の娘、年は竜江よりひとつ二つ上に見えた 朝の散歩の道順を変えて、源次郎は娘の家の横を通るようになった
Memo
「その娘のことだが ・・・」
と源次郎は思い切って言った。 多少重藤に煽(あお)られた気味がある。
「その後どこへ行ったか知らんか」
「おや」
重藤がからかうような眼になった。
「貴公もあの娘に眼をつけていたのか」
「いや、そういうわけではないが ・・・」
源次郎は少し赤くなった。 性分で重藤のようにはあけすけに話せない。 それに娘と黙礼をかわしたいばっかりに、雨の日、風の日をのぞいて半年もあのあたりをうろついたとはとても言えたものでない。
「何となく哀れな話だからな」
『冤罪』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247045 |
タイトル |
藤沢周平 『冤罪』 文庫本 | 収録作品 |
証拠人 唆す 潮田伝五郎置文 密夫の顔 夜の城 臍曲がり新左 一顆の瓜 十四人目の男 冤罪 |
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冤罪 (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163628103 |
タイトル |
藤沢周平短篇傑作選 1 『臍曲(へそま)がり新左』 単行本 | 収録作品 |
紅の記憶 証拠人 臍曲がり新左 一顆の瓜 冤罪 竹光始末 遠方より来る 雪明かり 小川の辺 木綿触れ 夢ぞ見し |
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臍曲がり新左 (藤沢周平短篇傑作選 3)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来(きた)る 乱心 雪明かり |
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藤沢周平全集 第四巻
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