冬の日
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 59 (1984) 年 | 小説宝石 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 冬の日 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 清次郎 ここ十年ほど古手物の行商をやってきて、今年になって店を出すまでに漕ぎつけた、齢(とし)は三十半ば 十四で呉服問屋「玉屋」に奉公に出るまえに、母親が内職の仕事をもらっていた雪駄問屋「但馬屋」で、庭の掃除などの雑用を手伝い駄賃を貰っていた 父親は物心つく前に病気で亡くなった
- おいし 但馬屋の一人娘 子供のころ、五つぐらい齢上の清次郎が、親戚の家に遊びに行ったおいしを連れ帰る使いをしたとき、十五、六の男三人に八歳のおいしが連れ去らる出来事があった 清次郎が鼻血を出しながらも抵抗しておいしを取りもどしたが、そのために特別にふたりが親しくなることもなかった
Memo
── そうか、いっちゃんか。
清次郎は微笑した。 寒い冬の夜でなかったら、さっきの店まで駆けもどってたしかめたいほどになつかしかった。 と言っても、おいしは清次郎と格別のかかわり合いがあったわけではなく、そのつながりはごく淡いものに過ぎなかったのだが、その淡淡しいむかしの記憶が、かえってなつかしいものに思われて来るようだった。
『冬の日』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
文藝春秋 文春文庫 | 978-4167192235 |
タイトル |
藤沢周平 『花のあと』 文庫本 | 収録作品 |
鬼ごっこ 雪間草 寒い灯 疑惑 旅の誘(いざな)い 冬の日 悪癖 花のあと |
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花のあと (文春文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642307 |
タイトル |
藤沢周平全集 第三巻 単行本 | 収録作品 |
驟(はし)り雨 遅いしあわせ 泣かない女 贈り物 歳月 ちきしょう! 虹の空 運の尽き おばさん 亭主の仲間 時雨(しぐれ)みち 幼い声 夜の道 怠け者 盗み喰い 滴る汗 追われる男 おさんが呼ぶ 禍福 おとくの神 失踪(しっそう) 帰って来た女 おつぎ 逃走 夜消える 女下駄(おんなげた) 遠い別れ 鬼ごっこ 冬の日 寒い灯 にがい再会 永代橋 踊る手 消息 初つばめ 遠ざかる声 |
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藤沢周平全集 第三巻
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