鬼
≫ Top page 作家 一覧 へ
藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 49 (1974) 年 | 週刊小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 鬼 |
時 と 所
江戸時代 某藩の村
主な人物
- サチ 小作百姓紋作の娘、十八歳 父親譲りの不器量で、いまでもひそかに太郎兵衛の鬼と言われる 太郎兵衛はサチの家の屋号で暮らしに困るような家ではないが、婿どころか仲人のなり手をあちこち探す始末だった
- 榎並 新三郎(えなみ) 郡奉行(こおりぶぎょう)配下、年は三十ぐらいに見えた この春に川上の方であった一揆(き)の首謀者ということが知れ、大目付支配の探索方に襲われ、斬り抜けて遁(のが)れて来た
Memo
── 綱が切れて流れて来たんだろうか。
と思い、サチは恐る恐る蛇籠(じゃかご)をのぼって、舟の中を覗(のぞ)いた。 川舟の底に男が一人寝ている。
「わ、鬼だ」
自分のことを棚に上げて、サチは小さく叫んだ。 胸が轟(とどろ)いた。 舟底に寝ている男は、異様な姿をしている。 髪が乱れて顔まで垂れ下がり、髪に隠れて、眼は見えない。 高い鼻、大きな唇が血の気を失って蒼(あお)ざめている。 頬と頸(くび)に血糊(ちのり)が乾いてこびりつき、右手には抜き身の刀を握っていた。 血は刀にもこびりついている。 袴をつけた武士だった。
『鬼』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247069 |
タイトル |
藤沢周平 『神隠し』 文庫本 | 収録作品 |
拐(かどわか)し 昔の仲間 疫病神 告白 三年目 鬼 桃の木の下で 小鶴 暗い渦 夜の雷雨 神隠し |
≫ Amazon
神隠し (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642109 |
タイトル |
藤沢周平全集 第一巻 単行本 | 収録作品 |
溟(くら)い海 囮(おとり) 賽子無宿(さいころむしゅく) 黒い縄 帰郷 恐喝 夜が軋(きし)む 割れた月 闇の梯子 父(ちゃん)と呼べ 疑惑 密告 入墨 馬五郎焼身 旅の誘(いざな)い 鬼 おふく 霜の朝 時雨(しぐれ)のあと 穴熊 冬の終りに |
≫ Amazon
藤沢周平全集 第一巻
へ
配信広告 【 Yahoo! アドパートナー 】
配信広告 【 Google AdSense 】
a あ
b べ
c ちゃ
ち
e え
f ふ
g げ
ぎ
ぎゃ
h は
へ
ひ
ほ
i い
j じょ
じゅ
k か
き
こ
く
きょ
m ま
み
も
む
n な
に
の
ぬ
o お
r ら
りゅ
s さ
せ
し
そ
す
しょ
t た
て
と
u う
w わ
y や
よ
ゆ