藤沢 周平
うしろ姿
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 53 (1978) 年 小説宝石
著者名 作品名
藤沢周平 うしろ姿

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

「この旦那が ・・・」
 ばあさんが、胸に頭を落しこんで眠りこけている六助を、ちらと見た。
「ひと晩泊めてやるっておっしゃるから、ついて来たんですよね」
「 ・・・・・・ 」
「やっぱり、だめですよね」
 ばあさんは、下からすくい上げるような眼で、じっとおはまを見た。 その眼に、みるみる涙が盛りあがった。 だがばあさんは泣かなかった。 黙って立ち上がった。 立ち上がって、夜の中に出て行こうとしていた。 ひとつかみほどの小さい背を、おはまは見つめた。
                     『うしろ姿』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101247113
タイトル
藤沢周平  『驟り雨(はしりあめ)』  文庫本
収録作品
贈り物  うしろ姿  ちきしょう!  驟り雨  人殺し  朝焼け  遅いしあわせ  運の尽き  捨てた女  泣かない女
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642208
タイトル
藤沢周平全集 第二巻  単行本
収録作品
冬の潮(うしお)  意気地なし  秘密  しぶとい連中  石を抱く  暁のひかり  龍(りゅう)を見た男  夜の橋  拐(かどわか)し  神隠し  閉ざされた口  闇の穴  三年目  狂気  荒れ野  春の雪  遠い少女  昔の仲間  疫病神  裏切り  夕べの光  冬の足音  暗い渦  うしろ姿  告白  捨てた女  夜の雷雨  暗い鏡  人殺し  朝焼け
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