紅の記憶
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 49 (1974) 年 | オール讀物 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 紅(べに)の記憶 |
時 と 所
江戸時代(文政年間) 某城下
主な人物
- 麓 綱四郎(ふもと) 物頭まで勤めた麓六郎兵衛の次男、二十二歳 剣術道場の師範代を勤めている 三ッ上の兄が嫁を迎える時期に来ていて、剣術が強いばかりで素行の香ばしくない弟の身を固めるのをいそいでいた
- 殿岡 加津 二百石を喰(は)み、一時は大目付まで勤めた殿岡甚兵衛の一人娘、二十(はたち) 殿岡村を支配していた地侍の家柄で、綱四郎は、この秋婿入りすることになっている
Memo
「あの節はあまりお飲みになりませんでしたが、麓さまは酒も女子(おなご)もお嫌いではないとうかがっております」
加津は顔を挙げて微笑した。 その顔を見て、綱四郎はおや、と思った。 軽い驚きが心の中にあった。
加津は薄く白粉(おしろい)を使い、唇に紅をさしていた。 唇に馴染(なじ)まない感じの紅のいろが、ふだん加津が化粧馴れしていないことを示していた。 その稚拙な化粧が、かえって加津を女らしくしている。 驚きはそれだけではなかった。 加津に会うのは今日で三度目だったが、笑顔を見たのは初めてだった。 いつもの加津と違うのを、綱四郎は感じた。
『紅の記憶』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
文藝春秋 文春文庫 | 978-4167192174 |
タイトル |
藤沢周平 『闇の梯子』 文庫本 | 収録作品 |
父(ちゃん)とよべ 闇の梯子 入墨 相模守は無害 紅の記憶 |
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闇の梯子 (文春文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163628103 |
タイトル |
藤沢周平短篇傑作選 1 『臍曲(へそま)がり新左』 単行本 | 収録作品 |
紅の記憶 証拠人 臍曲がり新左 一顆の瓜 冤罪 竹光始末 遠方より来る 雪明かり 小川の辺 木綿触れ 夢ぞ見し |
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臍曲がり新左 (藤沢周平短篇傑作選 3)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来(きた)る 乱心 雪明かり |
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藤沢周平全集 第四巻
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