藤沢 周平
紅の記憶
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 49 (1974) 年 オール讀物
著者名 作品名
藤沢周平 紅(べに)の記憶

時 と 所

江戸時代(文政年間)  某城下

主な人物

Memo

「あの節はあまりお飲みになりませんでしたが、麓さまは酒も女子(おなご)もお嫌いではないとうかがっております」
 加津は顔を挙げて微笑した。 その顔を見て、綱四郎はおや、と思った。 軽い驚きが心の中にあった。
 加津は薄く白粉(おしろい)を使い、唇に紅をさしていた。 唇に馴染(なじ)まない感じの紅のいろが、ふだん加津が化粧馴れしていないことを示していた。 その稚拙な化粧が、かえって加津を女らしくしている。 驚きはそれだけではなかった。 加津に会うのは今日で三度目だったが、笑顔を見たのは初めてだった。 いつもの加津と違うのを、綱四郎は感じた。
                     『紅の記憶』文中より

収録本

出版社 ISBN
文藝春秋  文春文庫 978-4167192174
タイトル
藤沢周平  『闇の梯子』  文庫本
収録作品
父(ちゃん)とよべ  闇の梯子  入墨  相模守は無害  紅の記憶
Amazon  闇の梯子 (文春文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163628103
タイトル
藤沢周平短篇傑作選 1  『臍曲(へそま)がり新左』  単行本
収録作品
紅の記憶  証拠人  臍曲がり新左  一顆の瓜  冤罪  竹光始末  遠方より来る  雪明かり  小川の辺  木綿触れ  夢ぞ見し
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642406
タイトル
藤沢周平全集 第四巻  単行本
収録作品
暗殺の年輪  ただ一撃  紅(べに)の記憶  証拠人  唆(そそのか)す  恐妻の剣  潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ)  密夫の顔  嚏(くしゃみ)  十四人目の男  桃の木の下で  臍曲(へそま)がり新左(しんざ)  夜の城  冤罪(えんざい)  一顆(いっか)の瓜(うり)  鱗雲(うろこぐも)  鬼気  竹光始末  果し合い  遠方より来(きた)る  乱心  雪明かり
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