藤沢 周平
初つばめ
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
平成  2 (1990) 年 週刊小説
著者名 作品名
藤沢周平 初つばめ

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

「それが終ったら ・・・」
 なみがそういう話を聞かせると、同じ店で働き、二人で長屋の一軒を借りているしまは言う。
「今度は、あんたが自分のしあわせを考える番だ。 いい男を見つけな」
 この齢になって、いい男なんか見つかるもんか、おしまはバカだよとみなは思った。 だが、さっきのつばめがたちまちもどって来て、白い腹を見せて頭上を飛びすぎるのを見ていると、何かいいことがありそうな予感が、なみの胸をふくらませた。
 ── 初つばめ ・・・。
 今日、初つばめを見たと、弟にも弟の嫁になる娘にも話してやろうと思いながら、なみは松村町に渡る橋にむかって歩き出した。
                     『初つばめ』文中より

収録本

出版社 ISBN
文藝春秋  文春文庫 978-4167192297
タイトル
藤沢周平  『夜消える』  文庫本
収録作品
夜消える  にがい再会 永代橋  踊る手  消息  初つばめ  遠ざかる声
Amazon  夜消える (文春文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642307
タイトル
藤沢周平全集 第三巻  単行本
収録作品
驟(はし)り雨  遅いしあわせ  泣かない女  贈り物  歳月  ちきしょう!  虹の空  運の尽き  おばさん  亭主の仲間  時雨(しぐれ)みち  幼い声  夜の道  怠け者  盗み喰い  滴る汗  追われる男  おさんが呼ぶ  禍福  おとくの神  失踪(しっそう)  帰って来た女  おつぎ  逃走  夜消える  女下駄(おんなげた)  遠い別れ  鬼ごっこ  冬の日  寒い灯  にがい再会  永代橋  踊る手  消息  初つばめ  遠ざかる声
Amazon  藤沢周平全集 第三巻 

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