竹光始末
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 50 (1975) 年 | 小説新潮 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 竹光始末 |
時 と 所
江戸時代(寛永年間) 海坂城下
主な人物
- 小黒 丹十郎 もと越前松平家の家中 越前を離れたあと半年ほど厄介になった、会津藩で作事方に勤める片柳図書から柘植八郎左衛門に宛てた新規召抱えの周旋状を頼りに、親子四人で海坂城下へ訪ねて来た
- 柘植 八郎左衛門(つげ) 海坂藩物頭(ものがしら) 「片柳図書どのと面識がないとは申さんが、このように親しげに周旋状を受け取る間柄ではござらんのだ」
Memo
「あのな、お前さま」
「む」
「いっそお女郎に出ないかと、きつい言いようでございましたよ」
「なに!」
丹十郎は箸(はし)を置いた。 茫然とし、やがてみるみる顔面を真赤に染めた。
「無礼ものが」
丹十郎は低く唸ると、立ち上がって押入れに歩き、中から刀を出して腰に帯びた。
「お前さま、何をなされます」
多美が立ち塞(ふさ)がって手をひろげた。
「亭主を斬る。 許せん」
「お気を鎮められませ。 亭主を斬って何の益がございますか。 私や子供たちはどうなります? これまで何のために苦労して参ったのですか」
丹十郎はしばらく多美を睨みつけたが、やがてのろのろと刀をはずすと、押入れに蔵(しま)った。
「飯は、もうよい」
ぽつりというと、丹十郎は赤茶けてけば立っている畳の上にごろりと寝た。
「明日、刀を売ってくるぞ」
『竹光始末』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247021 |
タイトル |
藤沢周平 『竹光始末』 文庫本 | 収録作品 |
竹光始末 恐妻の剣 石を抱く 冬の終りに 乱心 遠方より来る |
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竹光始末 (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163628103 |
タイトル |
藤沢周平短篇傑作選 1 『臍曲(へそま)がり新左』 単行本 | 収録作品 |
紅の記憶 証拠人 臍曲がり新左 一顆の瓜 冤罪 竹光始末 遠方より来る 雪明かり 小川の辺 木綿触れ 夢ぞ見し |
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臍曲がり新左 (藤沢周平短篇傑作選 3)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163255705 |
タイトル |
海坂藩大全(うなさかはんたいぜん) 上 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 相模守は無害 唆(そそのか)す 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 鬼気 竹光始末 遠方より来る 小川の辺 木綿触れ 小鶴 |
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海坂藩大全 上
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来る 乱心 雪明かり |
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藤沢周平全集 第四巻
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